私は童貞を食べるのが好きなのに、相手が童貞かどうかが分からない
そう、処女膜のような処女と非処女を別つ、分かりやすいメッセージが童貞にはない。
しいて言えば服装や見た目で童貞っぽいかそうでないかを見分けるくらいか。
それでも、見た目冴えない男が彼女持ちだっていう話もあれば、見た目清潔でしっかりしてる男が童貞であることも往々にしてある。見た目は判断材料として使えるが、断定できるものではない。
相手から「自分が童貞です」という自己申告があれば嬉しいが、男はプライドの生き物。そのようなカミングアウトはめったにない。かといって掲示板で童貞を募集すれば「自分は童貞です」というヤリチンからの返信が絶えない。判断材料がないのだ。
私は童貞を食べるのが好きなのに、相手が童貞かどうかが見た目では分からないのは甚だ理不尽である。
そうして「僕、童貞だから食べてくださひぃ♡」という書き込みを信じ、実際に会ったときにゴリゴリのヤリチン風貌という童貞詐欺に何度遭ったことか。
日に日に積もるこのやるせない気持ちに終止符を打つために、ファンタジーの世界ではあるが、童貞であることが明らかに分かる仕組みを今回は妄想していきたいと思う。
ちなみに私は童貞狩りのゾロ子。25歳独身。チェケラ。
†ヴァージンクエスト†
時はヴァージニア歴1460年
エロンブスが世界1周に成功した年であり、大航海時代の本格的幕開けが取り沙汰され、船大工の需要が高まっている。そんな年。
ここ、ブラジニア国では童貞食いがステータスとされていた。
しかし、女と違い、その男が童貞であることの証明方法が分からない。
事態を重く見たブラジニア政府は童貞かどうかを判断する技術に650億ペソカ(現代の日本円にして50兆円の価値)を投じ、ついに2つの判別方法を編み出した。今回はそれらをご覧いただきたい。
陰毛おめでとう機能
この世界の陰毛が1つ1つ自由意思を持ちながら、明石家さんまのように休むことなく喋り続けることは、蛇口から水が出るくらい当たり前のことであり、もはや議論の余地がない。
しかしこの陰毛は宿主である主人に寄生していることから、陰毛のべシャリはあくまで主人が恥をかかない程度の品質に抑えられる。
なぜなら、主人の意に反することを漏らせば、罪を犯した陰毛は根元から引っこ抜かれ、栄養を取れずに死んでしまうからだ。死刑宣告から執行までものの2秒である。驚きの職人芸だ。
そのため、陰毛側からすれば、主人の恥になるようなことは言えない。無論、主人が童貞であることも。
しかし、ブラジリア政府直轄 童貞判別科学班がついに陰毛に無理やり童貞であることをカミングアウトさせる仕組みを開発した。
その名も『陰毛おめでとう機能(仮称)』である。
遊戯王風に言えば、【この効果は童貞である男がちんぽをまんぽに入れた時、発動する。ちんぽに装備されている陰毛は『童貞卒業おめでとう!』と宣言しなければならない。宣言後、カードを3枚ドローすることができる。この効果はデュエル中1度しか行えない。】という罠カードの実装。恐らくスーパーレア。
一言で言えば、童貞である主人が童貞を卒業した瞬間、喋る陰毛達がハッキングされ『童貞卒業おめでとう!』と宣言する技術を開発したのだ。ブラジリア政府直轄 童貞判別科学班が。
これにより、陰毛達は自由を得た。
半ば、主から言語統制されているような国情。宗主国の悪口を言えば、即刻死刑。
そんな国家情勢ではあのベシャリな陰毛達を以ってしても敬愛する総書記の素晴らしさを説くしかなかった。
しかし、外界の技術がもたらした恩恵により、彼らは表現の自由を得た。異端を発する権利を得た。
その日総書記は、童貞食いの女に逆ナンパされた。
総書記は挙動不審な反応をしたのち、「俺別にいつも逆ナンされてるし。」といった雰囲気を醸し出しつつ、まんざらでもない顔をした。
童貞食いの女はその雰囲気、風貌から総書記が密かに童貞であることを経験値として予感していた。BARで酒を嗜みつつ二人はラブホテルに向かう。
童貞食いの女は童貞を食うために自然と性行為の回数が多くなる傾向がある。無論、テクはやばい。
その圧倒的経験値から繰り出される鬼の手コキは総書記を骨抜きにし、開始10分で息も絶え絶えだ。こんなに気持ちいいものがこの世に存在してもいいのかと。後日、総書記はそう回述している。
そして、ついに総書記は童貞を卒業する時が来た。
初めてだとどこに入れていいか分からない。総書記は鞘の位置を確認する。よおし、ターゲットロックオン。俺のTEPO☆DONが火を噴くぜ。
ミサイルのスイッチを押す。
長距離弾道ミサイルがけたたましい轟音を轟かせ、今発射された。
しかし、同時にそれはミサイルに付属してる陰毛たちが表現の自由を得る瞬間でもあるのだ。
童貞卒業の刹那。陰毛の衆は高らかに、初物の発射を祝う
陰毛「「「「童貞卒業おめでとう!」」」」
革命完了である。多くの犠牲を払い、多くの屍の上に立つ成果。それが、国家プロジェクト、陰毛おめでとう機能(仮称)の全貌だ。
童貞食いの女「やったぁ。初物ゲットー!この犯してる感じ、たまんねぇ~」
これにて、童貞が童貞であることの証明ができたのではないだろうか?
しかし、目聡いものは気づく。
陰毛おめでとう機能では、「あ、この人童貞だったんだ。」という事実を後から知るにすぎない、と。これでは童貞を奪った瞬間のカタルシスを得ることができない。
無論、その事実は処女膜にも同じことが言える。
しかし、私達は見た目が童貞な人をたぶらかし襲うことに快楽を抱くアマゾネス。こんなことで私の情熱は満足は出来ない。
もっと童貞を奪う前から相手が童貞だということがわかる目印が必要なのだ。私たちは事後も尚、童貞を誑かし、征服するストーリーに、余韻に浸りたいのだ。
そういったアマゾネスたちの要望に応えるべくブラジリア政府は、『陰毛達が、普段から主人が童貞であることをカミングアウトできる機能』を開発しようと躍起になっているが、その技術の成就にはあと200年かかると言われていた。
しかし、その技術は思わぬ場所で開発されていたのだ。
ちんぽのブラックライト化
ブラジニア国ファエクス州のある村のはずれ。異端と言われた研究者が棲んでいた。
名は、ロヴィ・オナキメデス
彼の発明はいつだって斜め上を行く奇天烈な発明ばかり。
頭から触覚を生やす発明、鼻毛を全部白髪にする発明、乳首の色を自由に変えられる発明と枚挙にいとまがない。
そして、ロヴィは何を思ったか、ちんぽを光り輝かせる研究を始めた。
後日、どうしてこのような発明をしようと思ったのか。彼に話を伺ったとき、
「オスの象徴が光り輝いていると、カブトムシの角が黒光りしているみたいでカッコいいだろ?私はそんな光り輝くイチモツが作りたかったのさ。」と供述している。彼はロマンチストだ。
結論から言うと、この研究は失敗した。
いや、失敗というのは、彼の考える「自分のイチモツを自らの自由意志で光らせる」という目的の完遂に失敗したという意味であって、被験者が童貞であるときに、ちんぽを光り輝かせることができるという点では成功している。
つまり、アマゾネスの悲願が成就する形になる。
仕組みを説明しよう。
まず、年端もいかない男の子に開発した薬品を注射する。すると、その薬品の成分は何でかはわからないが、海綿体に溜まる。
海綿体に溜まった成分はイチモツに薬品が湧き出る形で細胞と癒着し、ブラックライトをかざすことで蛍光緑に光り輝く。
それはさながら真夏に水辺を飛翔するホタルのように点滅を繰り返す。それだけ見ればとても幻想的な風景である。
しかし、その光はイチモツたちの生命の光。数多のイチモツが早く童貞を食べてとそれぞれがモールス信号のように不規則に光の音楽を奏で、己の存在を認知させるため光り輝くのだ。
そして、その光はまんぽに挿入することにより、その薬品とまんぽ内の成分と化学反応を起こし、輝きを失い、童貞であることを知らせる役目を終える。
このようになっている。
そして本来なら、この薬品は外に出てこないはずのものだった。なぜなら未完成だし、村のはずれでひっそり開発していたものだからだ。
しかし、ひょんなことからたまたま村に来た政府関係者にこの薬品の存在を認知されることにより、国家プロジェクトとして推進され爆発的に普及した。
薬品の名前は彼の本名、ロヴィ・オナキメデス。これにより、ロヴィ評価は異端者から英雄に変わることになるのだった。
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いかがだっただろうか?
『陰毛おめでとう機能』と『ちんぽのブラックライト化』により、童貞ハンター達にアラブの春が訪れた。
多くの童貞アマゾネスは童貞食いを加速させ、ブラジリア内の童貞は瞬く間に非童貞となり、現在童貞は絶滅危惧種にまでなった。
それにより、童貞愛護団体がブラジリア内で権力を持つようになったのだが、それはまた別の話...
ヴァージンクエスト 第一章 童貞と魔女 ~完~
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